愛は惜しみなく与う⑦
……こわ

水瀬も、えっ…と驚いた様子。知らんかったんやな。でもさ?起動させなきゃ怖くないんじゃないの?

あたしの考えは甘いの?



「時限爆弾だ」



じげん、ばくだん?
あれ、それなんやっけ。
てゆうか、徐々に酸素が身体に回ってきた気がする。

喉は…痛すぎて声を出せるか分からへんけど、身体なら…動かせれるかも




「……設定は何時にしてる?」



「あと、5.6分後だ。だからお前らは外に出ろ。俺は…解除しにいく」



もうさ、頭も疲れてるねん。考えるのは難しい。

でもあと数分で爆発するってこと?


目の力も戻った。
目を開けてみれば、深刻なそうな顔をしている2人



「わかった。女を連れ出す。それでいいんだな?」

「あぁ。それでいい」


サトルが…どこかへ行ってしまう


水瀬に身体を支えられて立たされる



「俺に支えられるのは不本意だろうが、我慢しろ」

「…あ…っく」


声がうまく出せない
喉を通る空気もヒューヒューと音を立てる

伝えたいのに


声が出ない


携帯を取り出す


時刻は朝の5時前
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