愛は惜しみなく与う⑦
「おい、動くな」

「ん!!」


携帯に文字を打って水瀬に見せる



「なに?声が出せない?それは…首を締められて喉が潰れたんだろう。で?なに?……サトルを追えだと?」


うんうんと頷けば却下される

ちがうよ



『どっちにしろあたしの身体じゃ数分も歩けへん』


ここは、入口から1番離れている病棟で、数分なんかじゃいけない。
水瀬もそれを思っていたのか渋い顔になる。



「お前を生きて連れて帰らなきゃ、愛にも、怒られる。サトルを止めてくる」


少し待っておけとその場に座らせられた


あと、数分か


こういう時に、魔法使えへんかなっていつも思うわ。ほんと、意識を保ててるのも褒めてほしい。

頭もグワングワンしてずっと揺れてる

喉が痛い

身体も痛い


心も痛い


しんどいな



「仕掛けたのはあっちの病棟だ」

「じゃあ…ここは安全?」

「威力は知らない。でもお前のよりも確実なやつをクラブで買った。お前のじゃない」

「どっちにしろ、間に合わない」


会話を聞いて頭で整理する。サトルも水瀬もテンパってるからな。まともに判断できそうなんはあたしや
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