愛は惜しみなく与う⑦
足は動く
自分の足で立ち上がる
「…くで!」
あたしがそういうと2人とも走ってついてきた。よかった
生き残れそうな確率どれくらいやろ。
もうこの辺一帯を爆発するくらいの威力あれば、もう無理やけどさ。それはもう、核兵器やわ。
そうでないことを祈る
最悪生き埋めは免れるんとちゃうかな
「急げ。もう1分もない」
水瀬が来てなかったらと思うとゾッとするな。
泉達に一斉にLINEを送った。
きっと泉なら、この状況の連絡は見てくれるはずやから。
もしかしたら、みんなが待ってる外の方が爆弾から近いかも。危ない気がする
サトルも水瀬もあれから一言も話さない
ただひたすら階段を登り続けて
時々ふらつくあたしを2人が支えて
たどり着いた
ほんのり外は明るい
ここから海に飛び込めるかと思ったけど、鳥でもない限り無理やった。すぐそこが海やと思ったけど。
飛び降りたら陸に着地で、ただの飛び降り自殺になってしまう。
「……綺麗」
あ、声出た
海に反射する朝日が綺麗で思わず呟いてしまった。
これが最後の朝日や…とかそんなマイナスなことは考えてないよ。