愛は惜しみなく与う⑦
確かにそうなのかもしれない
もう自分がどう言ったやつだったのかさえ分からない。
今は無理矢理連れて帰りたいと思わない
何か大きな塊が自分の中から無くなった気分だ
「なんかスッキリした?」
「あぁ。死んだとおもったらスッキリした」
「死んでへんけどな」
パンパンと服をはたいて、杏は水瀬の方へ行く。追い詰めてた2人と一緒に居て杏は、どういう感情なんだろう。
どうして助けたんだろ
水瀬はどうして動かされたんだろう
人のことなんて気にもしなかったし、どうでも良かったのに、気になる。
チラチラと杏を見れば心がピリピリと痛む
自分でやったくせに
自分で力任せにしたくせに
杏の首元にくっきりと浮かぶ、自分の手の形の痣が怖かった
肌にこれほどまでに痣が浮かぶなんて
自分の身体で身をもって体験してきたことなのに。
どうしてそれを、杏にしてしまえたのか、怖くなった
結局俺は……何も無い空っぽの人間だった
経験も知識も蓄積されない
思いたった時の感情だけで動いて
「今は味方や思ってええねんな?」
杏が水瀬に話しかける声は、かすれていて、上手く声が出せないみたいだ
もう自分がどう言ったやつだったのかさえ分からない。
今は無理矢理連れて帰りたいと思わない
何か大きな塊が自分の中から無くなった気分だ
「なんかスッキリした?」
「あぁ。死んだとおもったらスッキリした」
「死んでへんけどな」
パンパンと服をはたいて、杏は水瀬の方へ行く。追い詰めてた2人と一緒に居て杏は、どういう感情なんだろう。
どうして助けたんだろ
水瀬はどうして動かされたんだろう
人のことなんて気にもしなかったし、どうでも良かったのに、気になる。
チラチラと杏を見れば心がピリピリと痛む
自分でやったくせに
自分で力任せにしたくせに
杏の首元にくっきりと浮かぶ、自分の手の形の痣が怖かった
肌にこれほどまでに痣が浮かぶなんて
自分の身体で身をもって体験してきたことなのに。
どうしてそれを、杏にしてしまえたのか、怖くなった
結局俺は……何も無い空っぽの人間だった
経験も知識も蓄積されない
思いたった時の感情だけで動いて
「今は味方や思ってええねんな?」
杏が水瀬に話しかける声は、かすれていて、上手く声が出せないみたいだ