愛は惜しみなく与う⑦
杏は屋上から見えている場所を指差す
「二階の屋根に移ってジャンプすれば、たどり着くやろ。あの場所からあっちの方いけば、この建物の入り口に繋がる場所に抜けれるやろ」
「えらく詳しいな」
「鈴が半年前拉致られた時に、この辺りのことは調べ尽くしたから」
表情一つ変えずに杏は二階の屋根にいち早く飛び降りる
「うん、大丈夫。こっちきてええで」
足場を確認して俺たちを呼ぶ
水瀬は俺を立ち上がらせて、先にどうぞと言った。
不思議だな
どうして2人とも助けるんだろ
言われるがまま二階の屋根に飛び移る
この廃墟は東側は崖で囲われるようになっている。二階の高さなら、ちょうどその崖に飛び移れる。
「助走つければ届くのか?」
「多分。あたしは跳べる自信しかないけど、あんたらは?」
3メートルくらい間があいている
助走できる距離も少ない
なんせ失敗して落ち方が悪けりゃ死ねる高さ
このまま飛び降りようかな
でもこれくらいの高さじゃ、生き残ってしまう可能性もある。だから渋った
すると程なくして、俺たちがさっきまでいた屋上の一部が崩れた
老朽化したこの廃墟が、あの爆発に耐えられるわけがなかった
「二階の屋根に移ってジャンプすれば、たどり着くやろ。あの場所からあっちの方いけば、この建物の入り口に繋がる場所に抜けれるやろ」
「えらく詳しいな」
「鈴が半年前拉致られた時に、この辺りのことは調べ尽くしたから」
表情一つ変えずに杏は二階の屋根にいち早く飛び降りる
「うん、大丈夫。こっちきてええで」
足場を確認して俺たちを呼ぶ
水瀬は俺を立ち上がらせて、先にどうぞと言った。
不思議だな
どうして2人とも助けるんだろ
言われるがまま二階の屋根に飛び移る
この廃墟は東側は崖で囲われるようになっている。二階の高さなら、ちょうどその崖に飛び移れる。
「助走つければ届くのか?」
「多分。あたしは跳べる自信しかないけど、あんたらは?」
3メートルくらい間があいている
助走できる距離も少ない
なんせ失敗して落ち方が悪けりゃ死ねる高さ
このまま飛び降りようかな
でもこれくらいの高さじゃ、生き残ってしまう可能性もある。だから渋った
すると程なくして、俺たちがさっきまでいた屋上の一部が崩れた
老朽化したこの廃墟が、あの爆発に耐えられるわけがなかった