愛は惜しみなく与う⑦
「俺…杏のことが好きなんだ。杏が知ってる好きじゃなくて……女の子として俺は杏に惚れてるんだ。
出会ったあの日から…俺の世界は輝いて見えたんだよ。くさいこと言ってるなって思う。でも本当なんだ。
何も思わなかった事も、杏がいるだけで全部楽しくなる。杏の笑った顔が見たくて行動してる自分がいるんだ。
全部終わったら……伝えたかった。伝えて、俺のこと意識すればいいって思ってるんだ。」
中にいる!
担架用意しろ!
あそこから入れる!
外から聞こえる声
杏の両手を握る
「守るって言ったのに、ごめんな」
あそこに人がいるぞ!!
杏
杏
愛おしくてたまらないのに、今触れたら本当に壊れてしまいそうだ。
「大好きだ」
どうしようもないくらいに想ってる
体を屈めて杏の唇にキスをする
「だ、大丈夫ですか!?」
救急隊員の人が来た
杏からスッと離れる
「さっきまで意識はあったけど、頭を強く打ってる。今は呼びかけても返事しなくなった」