愛は惜しみなく与う⑦
「ちょっと、こいつらなんやねん」


あの忌まわしき場所にたどり着いて、感傷にでも浸ってやろうかと思ったが、そうもいかない。


「ヤク臭え!」


昴はそういって近づいてくる男を全員殴り飛ばす。よく見れば全員怪我してる。
やのに立ち向かってくる。

こりゃゾンビ現象やな


泉達にやられたか?


「脚の骨、全員分折る?」


いやいや、美奈子姉さん辞めてください。それこそ地獄絵図すぎる…


「なんか不穏な空気するし、はよみんなと合流した方がええと思うよ?」

「せやな。わかってる。適当にやって行くで」


思い出させてトラウマを呼び起こす暇さえくれへんねんな。ある意味ありがたいけど。

震えると思ってた


けど、この3人がいてくれるからかな。全然大丈夫やわ


色々思うことはある。家のことも、鈴のことも、これからの自分の未来も、頭痛くなるくらい、考えなければいけない事が山程ある。

でも今は…


「先を急ごう」


みんなと無事に家に帰りたい


ただそれだけ
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