愛は惜しみなく与う⑦
必ず、母親を納得させて、東堂財閥を守れ。


それができるなら


母親には本当の事を話してもいい



泉はそう言った


賭けに出る


妹が説得できなきゃ終わりだ


でも、妹をみて掛けてもいいと思った。最初はメソメソしてて鬱陶しいと思ったけど。

自分の意思で話すときは、芯が通っていた。



「必ずお母様に理解してもらえるようにします。時間はかかるかもしれませんが、やってみせます。だから…

お姉ちゃんをどうか…お願いします。まだありがとうを伝えれてないから」


涙が一筋、頬に流れた



「分かった。何かあれば相談しろ。それに時間もないから、早く行ってこい」


「はい、わかりました。皆様、ありがとうございます」


失礼します

そう言って部屋から慌ただしく走り去っていった。


一気に気が抜けた
謎の緊張感がずっと張り詰めている、そんな感じが続いていたから。


その中で一番な声を出したのは昴さん


「お前、本当に高校生か?しっかりしてんな。まぁもう少し女に優しくしてもいいと思うけどな?」
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