愛は惜しみなく与う⑦
女にも厳しいなと昴さんは苦笑いをした


「……ちょっと怒ってたんで」


泉は頭に手を当て、髪をグシャとする。
でも押し切られた。と泉は少し笑った。

圧が杏に似てたな


「泉?杏は……大丈夫だよな?」


響の震える声

ずっとみんな聞きたくて聞けなかった


そんな響をみて、泉は優しく、響の頭を抱えるように手を回した。



「信じるしかない。大丈夫だって信じて俺たちが待ってなきゃいけない。大丈夫だ。杏なら……必ず戻ってくる」



悔しそうな泉な顔をみて、本当に何もできないことを悟った。 

今夜が…峠って言ったけ

現実味がなくて、ボーッとした頭で考えるしかできない。

そんな中で泉は昴さん達をみて、思い出したかのように話し出す。



「すみません。何も自己紹介してませんでした。こいつらの面倒見てくれてありがとうございます。本当に助かりました」


あ、泉です。
と今更の自己紹介をした。
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