愛は惜しみなく与う⑦
「あぁ、お前のことはこいつらから、いっぱい聞いたよ。俺は昴。よろしくな」

「あたしは美奈子」

「あたしは敦子…」



シーーーーン


名前を言うだけで終わる

だってさ


みんな杏が心配なんだよな



「昼まわれば、色々警察が聞きにくるとおもう。だからみんなはそれまで休憩しといて欲しい。」


泉は雄作さんに、この部屋を借りたから、みんなで使ってくれと言う。

こんな状況で寝れない…


誰一人頷かないのを首を傾げて不思議そうにする泉


「あぁ。2人は別部屋の方がいいか。もう一部屋あるか聞いてくる」


一瞬なんのことか分からず反応できなかったけど…そう言うことだよな。


「え?別にあたしらはこの部屋でええよ?」

「そうよ。誰もそこに引っかかってるんじゃないわよ」


関西の女の鋭いツッコミが入る


「泉…。ちゃんと話してください」


新は言葉足らずな泉を見兼ねてか、泉にそういった。
みんなそう思ってる。知りたいと思ってる。

でも俺たちは、泉の口から言わせるのは酷な気がして強く言えなかった。
< 211 / 404 >

この作品をシェア

pagetop