愛は惜しみなく与う⑦
「お母様!!」


そして続いて中から妹が飛び出して来た


「待ってください!お姉ちゃんをそんな風に言わないで!」


涙ながらに訴える妹は、部屋の外に出て俺を見つけて、どうしてここに…と驚いている。


なんか本当に、女という生き物は苦手で、年齢は関係なく苦手。

そしてヒステリックな女はもっと苦手



「あなた…志木の代わりに来た人ね。東堂家を乗っ取るつもりね?鈴ちゃんをたぶらかしてるんでしょ!!!」

「お母様!この方は、お姉ちゃんの御友人です。志木とも仲が「鈴ちゃん!!静かになさい」


なるほどね
もう、全員が敵に見えてるのか

まぁ仕方ないかもしれないな

娘だと思ってた奴に騙されたのはこの人も同じだから。

でも


「高圧的な態度をして、人の話を遮って話す。そりゃ、娘とも本音で話し合うことなんて出来ないな。杏もそいつも、そりゃ言いたいこと言えないわ」


「なんですって?」


目で殺されそう。
その目はとても、杏に似ている

大きな瞳が揺れる


「別に最悪、理解しなくても良いよ。杏があんた達のために何をしたのか、理解したくなくて、話を聞く気もないなら、もうそれでいい。でもな、許せない事が一つあるんだ」
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