愛は惜しみなく与う⑦
その子を見つめていたら、知らない間に消えていた。
また
居なくなった
あたしの前から人は居なくなる
いや、違うか
あたしが、みんなの前からおらんくなりそーなんかな。
ザワザワとした心がどんどんあたしを不安にさせる。
もう、帰りたい
…帰りたいってどこに?
あたしには帰る家もないのに
あれ、なんで家がないって思ったんやろ。
自分の頭やのに理解がおいつかない
『杏』
「ぎゃぁあああ!!」
突然背後からした声に驚いて、我ながら汚い声が出た。
振り返ればイカツイおじさんがいて、泡吹きそうになったわ。
あれ
そういえばさっきから出てくる人
みんなガラ悪いな
この人は特に
そう思ったけど、優しい人やと瞬時にわかった。なんでかは知らんけどな。
『お前が大きくなって、沢山の人に愛されて、俺は嬉しいよ。自慢の娘だよ』
娘?
この人は、あたしのお父さん?
顔似てないけど
あれ、なんであたし、自分の顔がわかるんやろ
『お前の孫を見るのが俺の夢だ。老後の楽しみ、俺から奪うんじゃねーよ』
また
居なくなった
あたしの前から人は居なくなる
いや、違うか
あたしが、みんなの前からおらんくなりそーなんかな。
ザワザワとした心がどんどんあたしを不安にさせる。
もう、帰りたい
…帰りたいってどこに?
あたしには帰る家もないのに
あれ、なんで家がないって思ったんやろ。
自分の頭やのに理解がおいつかない
『杏』
「ぎゃぁあああ!!」
突然背後からした声に驚いて、我ながら汚い声が出た。
振り返ればイカツイおじさんがいて、泡吹きそうになったわ。
あれ
そういえばさっきから出てくる人
みんなガラ悪いな
この人は特に
そう思ったけど、優しい人やと瞬時にわかった。なんでかは知らんけどな。
『お前が大きくなって、沢山の人に愛されて、俺は嬉しいよ。自慢の娘だよ』
娘?
この人は、あたしのお父さん?
顔似てないけど
あれ、なんであたし、自分の顔がわかるんやろ
『お前の孫を見るのが俺の夢だ。老後の楽しみ、俺から奪うんじゃねーよ』