愛は惜しみなく与う⑦

それが1番選びたい


でも東堂をほんまに離れて良いんやろうか。


あたしはあの家を捨てれるんやろうか。



考えたら止まらへん。
こういう時に、朔みたいな頭にならへんかなって思うわ。

朔ならきっと、好きな事をやれよバカって言ってくる。ごちゃごちゃ考えるなってな。


難しい事を考えても答えは出なくて


あたしは何を選ぶべきなんやろう



え?考えすぎって?ほんまにな。

アホみたいに考えてしまうわ。


人生ってなんやろな


まずあたし、生きてんのかな


そこよな


『えらく悩んでいますね。何が引っかかりますか?』

「ん?あーそうやな。何が正しいか分からへんねん」

『別に正しくなくて良いじゃないですか。てゆうか、貴方が選んだ道が正しくなるんですよ』

「そーかなー。東堂を捨てて良いかな」



そう聞くと、かなしそうに志木は笑うだけ



「あたしは自分を偽ってきた。1番初めの偽りは、母上にや。もっと愛してほしいのに、我が儘も言わずに、聞き分けの良い子供を演じた。」
< 250 / 404 >

この作品をシェア

pagetop