愛は惜しみなく与う⑦
それが1番選びたい
でも東堂をほんまに離れて良いんやろうか。
あたしはあの家を捨てれるんやろうか。
考えたら止まらへん。
こういう時に、朔みたいな頭にならへんかなって思うわ。
朔ならきっと、好きな事をやれよバカって言ってくる。ごちゃごちゃ考えるなってな。
難しい事を考えても答えは出なくて
あたしは何を選ぶべきなんやろう
え?考えすぎって?ほんまにな。
アホみたいに考えてしまうわ。
人生ってなんやろな
まずあたし、生きてんのかな
そこよな
『えらく悩んでいますね。何が引っかかりますか?』
「ん?あーそうやな。何が正しいか分からへんねん」
『別に正しくなくて良いじゃないですか。てゆうか、貴方が選んだ道が正しくなるんですよ』
「そーかなー。東堂を捨てて良いかな」
そう聞くと、かなしそうに志木は笑うだけ
「あたしは自分を偽ってきた。1番初めの偽りは、母上にや。もっと愛してほしいのに、我が儘も言わずに、聞き分けの良い子供を演じた。」