愛は惜しみなく与う⑦
そう笑ってみんなを見れば、ちゃんと言うことを聞いて外に出た。
素直でよろしい!!
身体が動いたらよしよししてやりたいわ。
「杏様。私も少し外へ出ますね」
「志木も……そのダサい車椅子なんとかしいや」
「ふふ。そうですね。ちなみに次は貴方も車椅子ですよ」
志木はそう笑って部屋から出た。
車椅子とか人生初めてやねんけど
「医師の森です。よろしくお願いします」
「あ、お願いします」
森先生と2人きりになり、気になっていた、あたしの身体の様子を聞いた。
そして、自分でも苦笑いする事しかできなかった。
「右足の大腿骨が骨折しています。あと左の足首にもヒビがはいっています。あと左肩の脱臼。
そして……頭を強く打って24針縫いました。当分体は動かせないと思ってください」
ほらな
苦笑いしかできひんやろ?
あ!後、腕もヒビはいってます。と先生は付け足す。
生まれてこの方、ここまでの怪我をしたことはない。それこそ運が良かっただけなんやろうけどさ。
24針ってどれくらいの傷やったんやろ。
聞く勇気ないけどな