愛は惜しみなく与う⑦
それは知ってる。
これ以上悪化しないようにはできるって言われた。ただ既に欠けてしまった視界を取り戻すことは出来ない。


左目はきっと
半分くらい左端から視界が欠けた状態で、落ち着くと思う。

でもいい


この目ん玉さえ潰してやろうかと思うくらい、嫌な事もあったからさ。

もうそれは終わったからさ



「目もちゃんと治療するんで診てください」


「東堂さんの場合、ストレス性だね。身体は起こさなくてもいいから、そのまま診よう」


あ、その前に…
君が急に起きたから色々とこっちもテンパってるんだよ。そう笑った



「このまま起きてられる?体は怠くない?眠るなら薬を足して眠れるようにするけど。どうかな?」


「あーどこもかしこも痛いけど、眠くはない。てゆうかここでまた寝たら、外にいる奴らがピーピーゆうからな。起きてるよ」


ほんまに、ピーピー言いよる。


「ずっと貴方の名前を皆さんが呼んでました。正直…危なかったんですよ」


森先生はクスクスと笑った
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