愛は惜しみなく与う⑦
部屋を出て、そこにちょうど、銭湯から戻ってきた5人がいた。


「風呂上りのイケメン男子高校生、いいわね」

美奈子がボソっと呟く。
彼らの身を守るのも私の役目。


「彼らに手を出したら、杏様の代わりに私が怒りますからね」


「志木の唾付きはいややなぁ」


ほんとこの2人は。


「放って置いたら、本気で朔達喰われるで?」

「喰われるって言い方やめて下さいよ」


昴は笑えない冗談を言う。美奈子に至っては冗談で済まなさそうなんで怖い。


「あれ?杏は?」

「今ね、あの子、騒ぎすぎて心拍数上がったから、ヘロヘロで寝たわよ」


お姉さんが乾かしてあげようか?と朔さんの髪に美奈子が触れる。


「響くんもドライヤーした?変な方向に髪の毛ながれてるで?」


敦子も響に近寄る。
響は2人の圧にやられて、ある意味、女性恐怖症を克服…いや、無理矢理2人に関しては克服させられてしまったようで。


「早く杏に会いたくて、ドライヤーする時間すっ飛ばしてきたんだぞ!」


敦子からスッと離れて慧さんの後ろに隠れる響。可愛らしいですね。
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