愛は惜しみなく与う⑦

「いつでも思い出して。あたしも、いつでも皆んなを想ってるから。薔薇は解散しても、あたし達の友情は消えへん。

今までありがとう。あたしの大好きな家族」



ふぅ

いざ言葉にすると、悲しくなるな



「俺は、杏に出会ってへんかったら、多分今頃は、カスの下で悪いことして働いてた。杏のおかげで、本当の強さを知れた。誰よりも仲間想いで、誰よりも強いお前が、俺の誇りや」


昴はあたしの拳に手を重ねた



「私は初めてあんたに優しさを貰った。ほとんど話したこともない私に、あんたは最後まで付き合ってくれた。背中を預けてくれた。杏がいたから……今もこうして笑ってられるの。杏は私の誇りよ」


美奈子もそう言って、手を重ねる



「最初は杏ちゃんしつこくて、戸惑ってたけど、虐めが止まったのは杏ちゃんのおかげやって知ってたで。杏ちゃんがあたしの存在を認めてくれた。誰かの隣に並んで立てることを教えてくれた。杏ちゃんが居たから、あたしは……人を思いやる気持ちを知れた。あたしにとっても杏ちゃんは、誇りやで」


敦子はそう言って、優しく手を重ねた
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