愛は惜しみなく与う⑦
杏の笑顔の解散に、3人とも笑顔で部屋を出て行った。

そして杏は志木さんにも下がるように言った。


部屋には、俺たち烈火だけ。


杏はお待たせと言った


みんなで杏を囲むようにベッドの周りに集まる。

杏はいつもと変わらず、俺たちに笑いかけてくれた。傷だらけなのに起きてて大丈夫なのかと心配になるけど。


大丈夫そうだ



黙って話を聞けと、主に朔をみて杏は話し出した。



「まず初めに、1番伝えたいことがある」



杏は点滴に繋がれてない方の腕を布団から出して、お腹辺りに手を置いた。



「一緒に戦ってくれてありがとう」


そう言った瞬間

杏は泣いてしまった


想像と違う反応に、戸惑った。


笑顔でありがとうと言われると思ってたから。まさか泣くなんて、誰が想像できたか。


「え?杏ちゃん?」


杏の左側にいた慧は、杏の背中を支えるようにして持った。

涙は…なんで?


「まだ出会って間もないし、素性も隠して、クソ面倒な女やったのに……みんなが優しすぎて…あたしは甘えすぎた」
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