愛は惜しみなく与う⑦
神田は心配そうに俺たちをみていた。


「……無期限ってどういうこと?」

「峰岸ちゃんが、2年の間に復帰しないと、彼女はまた2年生をやらなきゃいけないな。テストの点はいいとは言え……」


いや、そういうことじゃ無いんだよ

いつまで待てばいいかわからない状態で


この無期限という文字は、正直堪えた


「おい、神田」

「…なんだ?」


「手紙は…これだけか?この紙だけが届いたのか?」


俯いたままの泉
手には力が込められていて、紙がくしゃりと形を変える。


俺たちの心みたいに、簡単に握りつぶせる


「そうだ。その休学申請書だけはいってた」


そう神田が言った瞬間、泉は近くの机を思いっきり蹴飛ばした


大きな音が鳴る


「っざけんな」


……やばいか

泉が暴れそうなことを察知した朔と響と新は抑えにかかった。
でも苦しいよ
同じ気持ちだからさ


ねぇ杏ちゃん


いつまでかな
いつまで待てば会えるのかな


俺もすごく不安になってきたよ


そしてこの後結局、みんなが散々大暴れしてしまって、追試は次の日になった。
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