愛は惜しみなく与う⑦

暴れた当の本人は、落ち着いてから反省して謝っていた。


冷静でいられないよな

俺もこんな状態で桜さんに会おうと思えないんだ。


杏ちゃんが恋しいだなんて、桜さんの前で言えないし、弱音は吐けない


そんなしょぼくれた俺たちに喝を入れてくれるのは新だった



「はぁ。聞きなさい」


眼鏡を外して頭を抱えながら、新は俺たちにそこに座れと、放課後の薄暗くなった教室で言った。



「貴方達は、話を聞いていましたか？杏は待っててと言ったんです。待つしか無いでしょう。それに休学申請くらいに驚かないでください」


休学申請出すのは常識です！！そう怒った。

やれやれ。本当に面倒臭すぎて投げ出したくなってきました。そう新は言って、自分も俺たちの近くに座る。


「まず初めに！！杏の怪我は全治2ヶ月です。2ヶ月以内に来るわけないでしょう。ましてや杏の回復力的に早くなったとしても、それでもリハビリがあります。何を見てたんですか。彼女は大怪我ですよ？すぐ治ってすぐ帰ってくると思ってるなら、一生その辺で待ってなさい。

特に泉！！！貴方は烈火の総長です。総長の貴方がこんなんじゃ、杏の帰ってくる場所も守れません」