愛は惜しみなく与う⑦
杏にとってきっかけは最悪だったかもしれない。でも私は…こうやって貴方に話すために行動するきっかけが出来て、嬉しかった。

杏には最低な母親の部分しか見せていなかったから、もうこれ以上最低なことはないから……だからいまは、繕わずに、話しているの。

貴方みたいに強くて優しい子が、自分の娘でよかった。貴方に私を重ねていたけど、全然違った。


杏、貴方はとても素敵な子よ。


伝えるのが遅くてごめんね。貴方も…自慢の娘よ」


その言葉で救われた
この言葉だけで、全てどうでもよくなるあたしは、単純やと思う。
でも単純やねん。自分の娘やと思ってくれてたなら…それでいい


嬉しかった


「あたしは愛されたかった。愛されたいからあたしは人を愛すことにした。だからあたしはきっと、見返りを求めてる」


初めは人に優しくしようとしていた。

自分に似たような人がいると、苦しくなって助けてあげないとって思ってた。



最初は自分を救うために、人を救った


でも今はそうじゃないと信じたい


自然と人に手を差し伸べれる人になれてると思いたい。
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