愛は惜しみなく与う⑦
「もし…杏がいいなら…ずっと家にいてくれてもいいのよ。貴方は嫌だろうけど…変えていきたいと思うから」
お母様……
東堂は変わらないといけない。
それは東堂の人間である、あたし達がやらなあかんことや。
周りを変えるんじゃなくて、自分たちが変わって…それで、周りもついて来てくれるようにしないと。
あたしは
どうしたらいいかな
「関東には…ここに来てくれてたお友達が居るのよね」
「うん。すごく優しくて思いやりのある友達がいる」
「高校生を…またしてるのよね?」
「そう…今は高2の秋。休学届はだした」
「勉強がもう一度したい訳ではないでしょ?」
「うん。勉強しに行ってるんじゃない」
呆れるかな
理解はしてもらえへんやろうな
一回卒業してるからな。
でも、それでもいい
「あたしは今しかできない事をしに行ってる。あの場所でしか感じれへん事がある」
あのままお別れなんてするつもりない
こうやって話せたからこそ言える
「あたしは、関東で、北蓮見を卒業して、ケーキ作りしたいねん。だから…リハビリが終わったら、あたしは東堂を出る」