愛は惜しみなく与う⑦
歩く慧の足を引っ掛けてやった


「あーやだやだ。僻んでるの?やめてよね。杏ちゃんがいないから溜まってるよね?」

「嫌な言い方すんなよ」

「これだから泉は」


やれやれと言いたげな慧は、響のご飯作りを手伝いに行った。
何も変わらない

何も変わらないのに


杏だけがいない


何度も関西へ行こうと思った。

でも杏の決意を無駄にしてしまう気がして、行動できなかった。 
あれ以上踏み込むべきではなかったから。

杏は母親と、ちゃんと話せたかな


今日は12/23

予想は明日が抗争


てゆうことは、今日しか時間がないわけだ。



クリスマスプレゼントを買うための時間は、今日しかない。


誰のって?杏のに決まってるだろ。

サンタはクリスマスにやるって言ったから。覚えてるか知らないけど、俺は覚えてるから。

別にクリスマスのその日に会えるなんて思ってもない。でも間に合うように買ってやりたかった。


家に郵送でもしようかな


「とりあえず!俺は今日は桜さんとデートだから!邪魔しないでね!」

「おいおい!1人じゃあぶねーだろ」

「大丈夫!家から出ずお泊まりだから」
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