愛は惜しみなく与う⑦
慧のウインクに朔はグハァとダメージをくらい、その場に倒れ込んだ。
馬鹿だな

うまくいってるなら何より


あの日、桜さんに告白してくると出て行ったその日の夜に、付き合ったと自慢げに話してきた。

前なら、あっそう。しか思わなかったけど、今は純粋におめでとうって思える。



好きな人が自分を好きになってくれるなんて、奇跡だから


それを勝ち取った慧は、男としてカッコいい



響はバイトだと言い家を出る


俺もそろそろ出ようかな


「ちょっと出てくる」

「私も行きますよ」

「お前は佐野といろよ」

「では朔を連れて行ってください」

「やめろよ。朔がくる方が煩くて悪目立ちする。1人でいい」


貴方も充分悪目立ちしてますが…と新は苦笑い。でもトラブルメーカーの朔を連れて行くのは俺がしんどい。


渋々外出許可が下りた。

別に俺が1人でいても、凰牙は何もしてこないと思うけどな。勝てると思わねーだろ


自分でいうのも何だけど、関西で色々あってから、喧嘩で負ける気がしない。
手応えもない。

極限状態でやり合うことが多かったから、今のこの状態だと、ゆるく思えてしまう。
< 374 / 404 >

この作品をシェア

pagetop