愛は惜しみなく与う⑦
「で?で?どうでした?サプライズだったんでしょ?」
店のみんながこっちを向く。
ほんと、勘弁してくれよ……
「喜んでました?」
「あぁ。喜んでたよ」
まぁ一緒になってかなり悩んでくれたから、感謝はしている。うるさいけど
「今来るってことはクリスマスプレゼントですか??」
「あぁ、そうなるな」
店内をくるりと見れば、クリスマス限定のアクセサリーが並ぶ。でも前みたいにピンとこない。
「指輪とか?」
「指輪はまだ早い」
まだ早いってなんだ。自分で言ってて突っ込みそうになった。まだ早いって、付き合ってもないのにな。
いつかあげれたらって思うけど
「あんまりアクセサリーつけないんですよね?」
「そうだな。あげたらつけてくれたけど、なんかピンとこない」
うーん。ここに来ればいいものが見つかるかと思ったけど、違う気がしてきた。
「おにーさんおにーさん!」
店員は笑顔で手招きをして、ある椅子に座らされた。えっと、何も買わないのに、ここに座らされる意味は?
「何買うか決まらないんでしょ?お姉さんたちが考えてあげるわよ」
「……はぁ」