愛は惜しみなく与う⑦
「で?なんで好き好んで、クリスマスイブの夜からなんだよ!!」
「俺が知るかよ。凰牙のやつが言ってきたんだ」
「烈火のこと暇だと思ってるんですかね」
「暇じゃねーよ。イブだぞイブ!忙しいに決まってんだろ」
「朔は響とクリスマス特別番組見たいだけでしょ?」
「早く終わらせて、早く帰ろうな!朔!」
今日もみんなが元気で何よりだ。
「あの…怪我しないでね?」
佐野は不安そうに俺たちを見た。そうか。「怪我したらぶっ殺す!」ってゆう鬼のような見送りをしてくれるのは、杏だけだったか。
「ええ、必ず無傷で私は戻ります」
私は、という新。朔あたりは、ガードもせず突っ込んでいくから、必ず怪我はする。
時刻はまだ昼
作戦会議という名のうだうだが始まった。俺は少し用事がある。
「マドリカ行ってくる」
杏のバイト先。ちょくちょく顔を出して杏のことを報告している。一応杏から手紙が届いたらしい。
こんな形でごめんなさいと。
「千恵子さん、こんにちは」
杏がお母さんみたいだと慕っていた女性。杏は愛されてるよ