愛は惜しみなく与う⑦
マドリカの人達の写真がなかったから今日撮りにきた。喧嘩前だって言うのにさ、こんな穏やかな気持ちになると思わなかったよ。


「おい、にいちゃん!」

??

常連のおじさんに手招きをされる。シャッターを切ろうとした時だった。


「なんでお前が撮ってんだ!にいちゃんも入らなきゃ意味ないだろ」

「俺、も?」


その発想はなかった。俺がこの人達の写真を撮ろうと思っていたから。


「にいちゃんカメラ初心者か??ワシ詳しいから貸してみ!」

そういっておじさんは、何やらカメラのボタンを押して操作をしている。


「タイマーにした。にいちゃんもこい!」


なんの準備もできず、何故か俺はその集団の真ん中に入れられて、そして小さな子供を抱っこさせられた


「3!2!1!」


もしかしたら間抜けな顔をしていたかもしれない。


撮り終えた写真を見て、自然と頬が緩んでしまった。


「お前俺に恨みでもあんの?」


子連れの家族の小さな女の子
この子を抱っこしてくれと、写真を撮る寸前に母親に言われて抱っこさせられた。

そして写真を撮る瞬間
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