愛は惜しみなく与う⑦

「関係なくない。それと間違えるな。あんたの相手はあたしや。それ以外の誰でもない」


鈴を蔑ろにする感じがムカつく。
サトルの標的がなぜか泉になってる。
それはほんまに違う。

泉は、杏が手出してるじゃん。とでも言いたそうな顔で見てくる。その通りや

我慢できひん



「ほんと、お前は出癖が悪いな。足癖も悪いか。もういっそのこと、5人で話すか?鈴のことも話せるし、金髪と執事に聞きたいこともあるし。まとめて話そうか」


その代わり話してる間は、お互いに手は出さないってルール

どうだ?

ニヤリと笑う


そのルール…こっちとしては、願ったり叶ったりやで。
あたしが頷けば、サトルはその場に座った。


「声の届く範囲で座れば?」


本当にサトルは、泉や志木がいる前で話すのか。志木も嫌そうな顔をして近づいてきて、その場に腰を下ろす。


「私も分からないままは嫌なので」


少しサトルと距離を取り、地面に座る。
その時もずっと…横腹を押さえている。

……薬切れたか



「終わってから殴ればいいから、そのルールでいいよ」
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