愛は惜しみなく与う⑦
だからこの話し合いで


杏様は鈴が壊れてしまうことを恐れている。


でももうここまできたら、流れに対応していくしかない。
鈴を傷つけずになんて、無理です


「志木…痛むの?」


まぁなんと
突然鈴に声をかけられて驚く

こんな空気の中で、私に話しかけれる度胸があるとは思いませんでした。
刺した本人に心配されるのは複雑ですね。


サトルのそばに行って、鈴の雰囲気はコロリと変わった。


杏様にくっついていた時は、本当に弱々しくて今にも消えてしまいそうな感じだったのに。

サトルのそばに行くなり、人が変わったかのように顔つきが変わる。


ほんと

幼い頃から性格の悪い女でしたが、こんな所で発揮しなくていい。


「薬を飲んでるんで大丈夫です」


痛いですとは言いませんよ

そっか、よかった。

そう一言で鈴は済ませた。
親の顔が見てみたい。よく知ってますけど!!!
なんてふてぶてしい態度だ。


ぶん殴ってしまいたい。


そう思う


このイライラをちょっとでも軽減しようと、自分なりに感情を押し殺した。
本当に、イライラする女になりましたね
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