愛は惜しみなく与う⑦
やばいですね

話し合いになんてならない

さっき再び鎮痛剤を飲みましたが、まだ効く気配がない。少ししたら痛みはボケて来ると思うんですが。


「……鈴」


悲しそうな顔をしている杏様。鈴も聞く耳を持たなさそうで、話す意味があるのかと思った時、ずっと黙っていた泉が声を出した。



「おい、杏を傷つけるなら容赦しねぇって、俺さっき言ったよな?」


その言葉は鈴に向けられた言葉



「お前がこうなってる原因は、サトルだって気付かないのか?」

「ちょっと、泉!!」


泉に手を伸ばす杏様


「杏も黙ってろ。傷つかない方法なんてないのは分かってるだろ?ましてや馬鹿みたいにまだサトルを信じてるんだ」


泉は立ち上がり、地面に座るサトルを上から見下ろした



「妹を襲わせたのはお前だろ?」



核心に触れる話

杏様も諦めたのか俯き、黙った



「襲わせた?あぁ、鈴と初めて会った日のこと??そうそう。それが何?そんなこともあったな」



悪びれる様子もなく笑って話すサトル

あまりにもあっさり言うので、鈴は、知ってて一緒にいるのかと思った。

驚いて鈴を見たが、違った
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