愛は惜しみなく与う⑦
杏様はさっき、それをサトルに言われたんですね?どこまでも人の心を蝕もうとする男だ
「あたしはほんまに、アホや。悲しい想いさせてばっかりや」
その涙だったんですね
「杏、大丈夫か?」
泉が近づいてくる。サトルはどうしました?泉の歩いてくる方をみれば、サトルは地面に倒れたまま。
「気絶した」
「え、生きてますよね?」
「うん。心臓は動いてる」
特に動揺することもなく、サトルの手から奪ったナイフを私に渡してくる。
驚かされてばかりだ
泉は本当に…何者ですか?
「杏、妹と話しな。時間はあるから」
「でも…いつ起きるか分からへんし」
悠長に話してる暇はないんちゃう?と杏様は首を傾げた。ゆっくりと私に預けていた身体を起こす。
「大丈夫だ。話終わる前にサトルが起きたら、もっかい殴って寝かせる」
なんと
不安そうな顔をしていた杏様が、笑った。
「ふっ、助かる。ほなちょっと話すわ」
小さな声で、ありがとう。と私にも伝えて、杏様は鈴の元へ歩いた。
「鈴、お姉ちゃんと話そう?」
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「あたしはほんまに、アホや。悲しい想いさせてばっかりや」
その涙だったんですね
「杏、大丈夫か?」
泉が近づいてくる。サトルはどうしました?泉の歩いてくる方をみれば、サトルは地面に倒れたまま。
「気絶した」
「え、生きてますよね?」
「うん。心臓は動いてる」
特に動揺することもなく、サトルの手から奪ったナイフを私に渡してくる。
驚かされてばかりだ
泉は本当に…何者ですか?
「杏、妹と話しな。時間はあるから」
「でも…いつ起きるか分からへんし」
悠長に話してる暇はないんちゃう?と杏様は首を傾げた。ゆっくりと私に預けていた身体を起こす。
「大丈夫だ。話終わる前にサトルが起きたら、もっかい殴って寝かせる」
なんと
不安そうな顔をしていた杏様が、笑った。
「ふっ、助かる。ほなちょっと話すわ」
小さな声で、ありがとう。と私にも伝えて、杏様は鈴の元へ歩いた。
「鈴、お姉ちゃんと話そう?」
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