愛は惜しみなく与う⑦
でも…すごく優しかった


お姉ちゃんの妹だからって可愛がってもらったし、甘やかしてもらった。
その中に志木も居た。志木だけは、私を冷たい目で見ていた。


『もうちょっとここにいたい』

『んーでも明日学校やろ?』

『それはお姉ちゃんもでしょ?』

『……あんまり遅いと、変な人いっぱい出てくるからさ?』

『変な人いても守ってくれるんでしょ?』

『それはそうやけど』


お姉ちゃんは私に甘いから。許してくれると思った。でも許さないのは周りだった。


『妹ちゃん、帰りな。また遊んでやるから。杏はこの辺のトップだ。杏が動けなきゃ、俺たちも困るから』

『そうそう。怖い思いさせたないしな』


そして最後に



『杏、俺も送るよ』


志木が口を開いた。にこりと笑ったが笑顔が真っ黒

そして違和感

あ、そうか


志木は外ではお姉ちゃんにタメ口なんだね。

俺…なんて言ってるし。


ていうか、お姉ちゃんがトップってなに?そんな疑問を残したまま、お姉ちゃんと…いや、志木に半ば無理矢理家に帰される
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