愛は惜しみなく与う⑦
楽しかった

優しかった

でもそれは、私に優しいんじゃなくて、お姉ちゃんの妹である私に…優しいだけだった。


モヤモヤする


『杏様、後ろ…つけられてます』
『うん、分かってる。そこ曲がってから撒いてくれへん?』
『…撒けますかね』

『ん?あたし降りるよ。鈴をよろしく』


お姉ちゃんは曲がり角を曲がって、車のスピードが緩んだと同時に、後部座席の扉を開けて、車から外へ飛び出した


『お、お姉ちゃん!?』

『顔を出さないで。杏様がわざわざ囮になったんです。貴方は窓を閉めて大人しくしていなさい』


志木は冷静だった

家について部屋に戻されて
志木はそのまま、また外へ出た。


そしてその日、お姉ちゃんは、帰ってくることはなかった。


何かあったのかな
心配になった。

そして次にお姉ちゃんに会ったのは3日後だった。


お姉ちゃんは週に1.2回、東堂家に帰ってくる。他の日はどこにいるんだろう。気になるな

そしてたまに同じように外に連れ出してもらった。

ゲームセンターに初めて行ったり、ファストフードを食べたり、そして海にも行った
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