愛は惜しみなく与う⑦
右脚だけ使って

そのまま男は地面にパタリと倒れた



『ここは子供も多い。相手して欲しいならしたるから、場所変えよや』



そこにいるお姉ちゃんは、私の知ってるお姉ちゃんとは少し違っていた。

たくましいなとは思っていたけど、こんな大人数の男の人に囲まれて、ひるまないなんて。

そして、こういう状況に慣れている



すぐその後ろから、これまた見覚えのある志木が走ってきた。両手にアイス


『杏、置いていくなよ』
『いや〜人も多いのに集まってきたなって思ってさ?』
『杏を狙ってるんだろ。離れるか?』
『うん。テキトーに相手して昴達の所へ戻ろう』


知ってる2人が、異様なオーラを放って話している。
なにこれ



『やだ、薔薇の総長と副総長じゃない!』


小声でコソコソと莉子ちゃんは興奮気味に話した。なに?ろーず??なにそれ

でも知らないのは私くらいだった。



『鈴ちゃん知らないの?すごく有名だよ?総長は本当に女の人なのか分からないけど。まだバックが居るって噂もあるの!あの男の人は薔薇の副総長で、イケメンでファンクラブもあるんだよ』
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