愛は惜しみなく与う⑦


全て流される。私の気持ちなんて志木は汲み取ってくれない。お姉ちゃんのことしか見ていない。

つまらない


こうやって、お姉ちゃんから離れた


仲が悪くなったわけではない。ただ、前みたいに我儘を言わなくした。そうすれば、どうかしたかと、お姉ちゃんが聞いてくれると思ったから。

でも


お姉ちゃんが、私が我儘を言わなくなったことに対して、触れる事はなかった。


志木と仲良いお姉ちゃんに嫉妬したのと、お姉ちゃんの優しさが自分にだけ向いていて欲しくて、ヤキモチを妬いていたんだと、今更ながら思う


そして、最近の悩み。私には婚約者がいる。でも、ちゃんと会ったことはない。私が14の時にパーティーに居たらしいけど、どの人か分からなかった。



私は好きになった人と、結婚する権利もない。


今の自分の状況
閉鎖感

全てが嫌になった


そんなある日
莉子ちゃんと学校から帰っていると、脇道から1人のおじさんが転がってきた。

驚いた


そしてその人は、私の鞄をひったくった。怖い。咄嗟に鞄から手を離す。
反射的に体を丸めて地面にしゃがむ


すぐに護衛の人が大きな声を出して追いかける

私と莉子ちゃんは、ただ呆然とするしかなかった。あまりにも突然のことで。



そして気付いた


護衛2人が走って行ったから、私たちの周りに守ってくれる人は居ない
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