愛は惜しみなく与う⑦
『痛いの嫌なら黙ってついてこい』


ダメだ


どうすることもできない


こわい



誰か…


お姉ちゃん…助けて!!!


そう思って目を閉じた



私は魔法使いなのかもしれない。だってお姉ちゃんが、目の前にいるんだもん



『あんたら、殺すで』



莉子ちゃんを掴む男は、痛い痛いと喚いて、莉子ちゃんの手を離し、お姉ちゃんの手を引き剥がそうとする。

莉子ちゃんは解放された


『くそ!誰だよ!』


危ない!!男がお姉ちゃんに殴りかかる。
でも…


瞬きした時には、お姉ちゃんは殴りかかろうとした男を蹴り飛ばしていた。

なにこれ


『車は!?!』

『ダメだ!4つともタイヤがパンクして動かない』


男達は急に焦り出す
そのままお姉ちゃんは携帯を取り出して誰かに電話をする。

その電話の相手が志木なのは分かった



『クソがおった。雄作さんのところ連れて行っといて』


雄作さん
私は殆ど話したことがない、、東堂組の組長さん。お姉ちゃんは、よくしてもらってるみたい。

呆然としていた莉子ちゃんの目が急にキラキラ光る
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