愛は惜しみなく与う⑦
『す、すごい!薔薇の人に助けてもらった!』
さっきまで震えていた莉子ちゃんは、お姉ちゃんを見てきゃーきゃーと騒ぐ
男3人はいうまでもない。地面に倒れて動かない
お姉ちゃんは私と目が合うと、困ったように笑った
あの顔は、ごめんねって言ってる
謝る必要はないのにさ
別にお姉ちゃんのせいで、この男たちが襲ってきたわけじゃ無いのに。
いつもお姉ちゃんは謝ってくる
最近はずっと避けていたのに
どうしてここにお姉ちゃんが居るんだろう。
そう思ったけど、本当は薄々自分でも気付いている。
お姉ちゃんはずっと私を見守ってくれている。
護衛が居ようが居まいが。
何かある時、、お姉ちゃんがいる
それを素直に嬉しいと思えない、私の性格の悪さ。助けてくれてありがとうと言えばいいのに、言えない。
助けて!と思った時に浮かぶのはお姉ちゃんの顔だったのに。
どうしようもない妹だ
すぐに向こうから護衛の人が走ってくる。私の鞄は無事のようだ