愛は惜しみなく与う⑦
「サトルはお姉ちゃんが好きなの?」
「……んーん。違うよ。サトルはあたしが自分を救ってくれると思ってるねん」
想像してた答えと違う事が返ってきた
「救う?」
「うん。多分やけどな。あたしに執着してるから、それを断ち切りたいねん」
お姉ちゃんは私の肩に恐る恐る手を触れた
「なぁ鈴。鈴はどうしたい?あたしらはさ、こうしなアカンって事が多すぎたと思うねん。でもそれは決して悪いことではないし、あたし達はそれがあったからこそ、学んだことも多い。でもな?誰も周りに聞いてくれる人がおらんかったと思う」
やめてよ
お姉ちゃんの言葉は
泣きそうなくらい心に染みるから
「鈴はこれからどうしたい?サトルとどうなりたい?あたしをどうしたい?鈴の気持ちを聞かせて。ぐちゃぐちゃでもええから。
あたしはな、みんなを守れて…鈴が自分のために生きれるなら、それが一番嬉しいねん」
細くて綺麗な指が、私の頬に触れて、そのまま流れていた涙を拭う
「お姉ちゃんは、鈴がずっと好きやで」
いつもの優しいお姉ちゃん
私を見守ってくれていたお姉ちゃん