愛は惜しみなく与う⑦
だからね


あの時はね


「お姉ちゃんにバレたくなかった。後悔するでしょ?私のために泣いてくれるでしょ?それが苦しかったの。可哀想って思われたくなかった。

私は……あんなことされたって、人に言いたくなかったの!!」


サトルだけでいい。知ってて慰めてくれるのはサトルだけでよかった。
本当に心から救われたの


お姉ちゃんは優しく抱きしめてくれる。

なんで私のために泣いてくれるんだろう。私はお姉ちゃんを、サトルと一緒にとことん地獄へ突き落としてやろうと思ってたのに。



「お姉ちゃんは、本当に私を襲わせてないの?」


分かってるくせに。



私を抱きしめているお姉ちゃんの身体が震えた



「うん。あたしはそんな事してないよ」



そうだよね
わかってるんだ



「知ってるよ。お姉ちゃんがしないことは。でもあの時は、サトルに言われたらそう思うしかなかった。少しおかしいなって思った時には遅かった」


私はどこから間違えてたんだろう。

私は……なんでことをしたんだろう
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