愛は惜しみなく与う⑦
あたしの腕の中で震える鈴を、何がなんでも守ってみせる。

もう自分の目の前で


大切な人を失いたくないから



鈴はあたしが嫌ってると思ってた…そう言ってたな。
嫌ってる時もあったよ。理不尽な世の中やなって思って、吐き気がした時もあったよ。

でもさ
それは自分がその世界しか知らなかっただけで、世界には沢山素敵な世界があって…


あたしはそれを見つけることができたから、嫌な世界も愛せるようになったんや。


あたしはただ鈴に、沢山知って欲しかっただけ。世界にはもっと面白いことがあるんだよって。



人一倍、家族に憧れがあったからこそ、あたしは鈴を大事にしたいと思ってる。

血を分け合った妹やから


母上が鈴を愛してくれるなら、あたしも鈴を愛そうと思った。


愛されるべき子やから


鈴は確かに我儘でプライドも高いし、自分の非を認めないところもある。
典型的なお嬢様体質やって。

それはそうやけど



他に魅力があるから、今までやってこれたんや。

あたしは知ってるから


まだやり直せる
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