会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「それで……哀淋に白羽の矢が立ったと?」
「そうです……。大伯父さまがどんな腹積もりでよしとされたかはわかりませんが……。私が伽藍の話を請けていたら、蔦子先輩にそんな話がいくことはなかったんです……」
しゅんとするこーちゃん。
「………」
……なんか、腹の中がむかむかする。
それをちらとも知らないこーちゃんは、しょげたまま続ける。
「……会長に偽彼氏を頼むほどだった蔦子先輩と緒方くんに申し訳ない気持ちはあるんですが、かと言って伽藍の話を請ける気にもなれなくて……。会長が知ってくれたら、二対二で蔦子先輩と緒方くんと引き分けになるんじゃないか? と思いまして……」
二対二で引き分け? なんの勝負をしているんだこーちゃんは。
……まあ、ここまで話してくれたのなら、やぶさかでもない。
「わかった。哀淋と幹には黙っておく」
こーちゃんに、秘密の共有者にされたわけだ。
俺としてはむしろ喜ばしい。
俺がお手上げの意味で、まさしく両手を軽くあげる。