会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
そんな俺を見たこーちゃんはぱっと顔を明るくさせた。
む。この顔をするときは……
俺はにっこり笑顔を浮かべてこーちゃんを見る。
「こーちゃん、俺を上手くハメたって思ったね?」
「………っ」
嬉しそうな顔だったのが、刹那、びくりと肩を震わせたこーちゃん。
それからそろりと視線を俺からはずし、またうようよとそれをさまよわせはじめた。
こーちゃんは憶えていなくても、俺はこーちゃんと幼馴染な記憶あるんだよ? こーちゃんのクセくらい覚えてるよ?
「俺を手のひらの上で転がしてやったーって内心思ったけど更に付け入るためにちょっと喜んだフリしてそのあとに哀しそうな顔でなんかまだ悩んでるとか言いだすんでしょ?」
「………」
こーちゃんの視線はさまようばかりだ。
「こーちゃん?」
俺は呼びかけてから、すっと、笑顔から真顔になる。
「俺をちょろいとか思ってない? 言って置くけど俺、こーちゃんの弱点まで把握してるんだからね?」
「…………ちっ」
……変わんないな、この子は。