会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

こーちゃんは少し顔をうつむけた。まつ毛の影が落ちる。

こう見てみると、こーちゃんは湖蘭さんより伽藍と似ている感じがするなあ……。

伽藍のやつ、俺が知らない間のこーちゃんも知ってるんだよな……何かにつけ腹立つやつだ。

「そうですね……大伯父さまはうちの絶対権力者なので、大伯父さまが進めてしまえば、伽藍がどう言っても覆りません」

……名家こえー。絶対権力者なんて言葉を俺の人生で聞くとは思っていなかった……。

「でも、なんで伽藍と哀淋の結婚なんて話になったんだろうね? 伽藍のこーちゃんへの求婚が不毛だとしても、商売敵って感じだと思ってたんだけど」

哀淋の家で聞いた限りでは、ご両親が、破断にさせるために哀淋にはもう相手がいるという事実を作りたかったようだし。

俺の思い付きに、こーちゃんも「うーん」とうなった。

「そうなんですよねえ。私も、伽藍の相手に蔦子先輩が、っていうの、この前の件で知ったくらいですし……大伯父さまが何を考えているかは……」

このこーちゃんは本気で困っているな。俺も考える。

「そっかー。……でも哀淋の方は幹がいるし、断わる理由はあるよな」

「はい。火急ではないです。でも……」

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