会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「え? うん、大好きだよ?」
「………~~~~」
こーちゃんの顔が三秒ほど静止してから、沸騰するみたいに顔を真っ赤にさせた。
これは念を押した方がいいな。こーちゃんの頭を撫でながら言う。
「こーちゃんほど可愛い弟はいないよ。昔から、俺の後ろついてくるこーちゃんが可愛くてたまんない」
「~~~~…………」
真っ赤になっていたこーちゃんの顔が、今度はさーっと熱が引いたようにさっきまでに戻って、また胡乱な顔になった。
……うん? こーちゃんが少し震えているように見えた。
「……私、口は悪いですが女なんですが……」
「うん? 知ってるよ?」
「……私、男を名乗ったことも男になりたいと思ったこともないんですが……」
「俺も聞いたことないね」
「………会長。いえ、甲斐性なし」
え、俺いつの間に役職を『会長』から『甲斐性なし』に変えたの? こーちゃんは胡乱な顔のまま続ける。
「これからは甲斐性なし会長って呼びますね」
「普通に嫌だよ」
『甲斐性なしの会』の会長みたいじゃないか。トップオブ甲斐性なしってことじゃないか。