会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

音々に言われて、いつもの学校用の顔になります。

今日の私は、髪はしばらずおろして、毛先が軽く巻かれています。

軽くお化粧もほどこされて、顔が落ち着きません……。

「あれ? 蘭! どうした?」

「おはよー。蘭可愛いじゃん」

「お、おはよう」

声をかけてくれたクラスメイトに、引きつった笑顔で返事をします。こんな態度になってしまうなんて不覚です!

「私がやったんだよー。似合うでしょ?」

「いいよいいよ! 蘭、もっとおしゃれに気合入れればいいのにってあたしも思ってた」

「音々上手だねー。え、そのリップどこの? 音々、今度一緒に買い物行こうよ!」

「いいよー! 行こう行こう!」

あ、あははは……キラキラ女子トークに、粗暴者の私はついていけません……。

肩身をせまくしながらはしっこを歩いていると、

「こーちゃん⁉」

と、この世で一人しか呼ばない呼び方で呼ばれました。

隣を歩く音々の瞳が光を得て私を見てきました。

うう……わかりましたよ……。

くるりと踵(きびす)を返して、けいちゃんに向き直ります。

笑顔で挨拶! と音々に厳しく言われているので、顔を作ります。

「おはようござ――」

「ごめんこーちゃん‼」

………はい? けいちゃんが私に向かって土下座キメました。

ちなみに通学路です。

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