会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「………」
蔦子先輩からまともすぎる指摘。
「知りませんよ。何訊いても『こーちゃんごめん』しか言わないんですから」
けいちゃんが一日しくしくしていた、と、生徒会室にやってきた蔦子先輩が上機嫌で教えてくれました。
けいちゃんいじめるの本当好きですね。
緒方くんが、まじまじと学園新聞を見始めました。
「えーと? 『現生徒会長・朝宮蛍都といえば、前生徒会長から指名されて会長職に就くなど力量は確かなもの。生徒教師からも信頼厚く、現生徒会は美形集団と呼ばれている。』……え、そうなの? んん? で?
『しかし朝宮会長は一年生当時から浮いた噂が一つもなく、他校に彼女がいる、女に興味ないなどと噂されてきたが、今年入学した蘭丸湖月一年生を自ら生徒会に勧誘するなど、今までにない執着をみせていた。先日には裏生徒会アカウントにおいて、二人は公認カップルに認定されている。』ああ、ここまでは知ってるやつっすね。んーで?
『本日朝の事案を受けて蘭丸庶務にことの真偽を確認したところ「私も全く意味がわかりません。会長に土下座されるようなことに思い当たることがなく困っています」との解答があった。朝宮会長本人は屍(しかばね)状態で取材に応じてもらえなかった。生徒会からなんらか声明があるのか、本誌取材に応じることがあるのか、この先も新聞部はこの事件を追っていく。』
――まじか。蘭丸取材されてるし。事案から事件になってるし」
「……疲れましたよ、今日は……」
今日あったことを思い出して、思いっきりため息をつきました。