会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
自分の進路の過程のひとつとしているほどのことを差し置いて私を優先してくれたってことですよね? 嬉しくないです、けいちゃんが自分を犠牲にしてまで私を選んでくれたって、ちっとも嬉しくないです。気づけなかった自分がただただ腹立たしいです。
「俺にこーちゃんより大事なことはないからこーちゃんと一緒にいただけだ。なんでそれでこーちゃんが怒る」
けいちゃんは不満そうな顔で言ってきます。ああ⁉
「うるせえ! 大事なバイト休んでまで付き合ってもらおうなんて考えねえわ! 自分をないがしろにするけいちゃんの態度に気付けなかったてめえに怒ってんだよ!」
「だから俺にこーちゃんより大事な用事なんてないんだよ! 俺の勝手な理由だよ! なんでこーちゃんが自分にキレる!」
「じゃあかしいわボケ!」
怒鳴りあっていると、蔦子先輩と緒方くん、二人から「ひっ」と息を呑む音がしました。
「ら、蘭……?」
「え、誰?」