会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
「蘭が……『湖風』の人間ってこと?」
驚いた、というよりはずっと静かな眼差しが私に向いて、肯かざるを得ませんでした。
「こーちゃん、」
「これは私から話すことです。けいちゃんは巻き添えですから」
私に何か言いたげな顔で言いさしてきたけいちゃんを遮って、蔦子先輩たちに向き直ります。
「五月女の湖蘭姉様と伽藍とはハトコでして……、伽藍のクソボケが蔦子先輩と緒方くんに迷惑をかけていると知りまして言いだせずにいました……。『湖風』とも、五月女の家と親戚ってだけで、うちは仕事的には全く関係がないのでそんな風に呼ばれることもないんですが……」
「それで……なんで『湖風』で働いてる時兄が朝宮を彼氏だって思ってるの?」
うう……一度嘘をつくと代償はでかいですね……。ですが払わねばなりません。
「……伽藍は昔っから私に嫁になれとうるせえ奴でして、いつも袖にしていたんです。五月女の家の人も本気で私と伽藍の縁談なんて考えてなかったんで。……そしたら五月女が蔦子先輩に縁談持って行ったって知って、様子見に行ったんです。そのときけいちゃんに一緒に来てもらったんですけど、伽藍が相変わらずうるさかったんでけいちゃんを彼氏だということで乗り切りまして……」