会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

「断るために偽彼氏やったってわけか。蘭は私に後ろめたくて朝宮だけ誘ったってことかしら」

頭の回転の速い蔦子先輩で、説明が端折れるのは助かります。

「そうです……。そしたらそちらの時さんが湖蘭姉様の彼氏さんだと知りまして、私とのこともあったけど、こういうわけで大伯父さまは『あいりん』に縁談を持って行ったのか――って」

私の自白に、蔦子先輩と緒方くんが目を見開きました。

それから二人同時に時さんを見上げます。

「「時兄、五月女湖蘭の彼氏なの……?」」

ん? お二人はそれ知らなかったんですか? 時さんはこともなげに頭を軽く上下させました。

「うん。湖蘭は俺の彼女だよ?」

「「時兄のせいか!」」

蔦子先輩と緒方くんが同時に叫びました。ですよね……。

大伯父さまがわざわざ商売仇の『あいりん』に縁談持ちかけたの、孫娘の彼氏が『あいりん』の関係者だからな上に何しても別れる気配がないからですよね……。

「俺のせい、って、なんかあったの?」

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