会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】

「『あいりん』にいたらどうあっても湖蘭と一緒になるの無理そうだったからなあ」

まあ……商売敵ですもんね……あ、それでロミジュリか。

「……あのさ、時兄ひとつ確認しておきたいんだけど」

緒方くんが声を険しく言ってきました。

心なしか顔も不穏です。

「湖蘭さんと付き合ってて『湖風』で働くことを決めたの? それとも一方的に好きだっただけ?」

ありゃ? 『あいりん』側は湖蘭姉様と時さんのお付き合い事情、全然知らされていないんですね? 庭で堂々とキスかましてるくらいだから『湖風』サイドでは隠してもいなさそうでしたけど……。

「あー、それ訊かれると微妙だな。高校んときは完全に付き合ってるって感じではなかったんだけど、あ、あれだ。両片想い? みたいな感じで付き合いだしたのは俺が専門に行ってから。で、それから俺が『湖風』に入った」

カラカラと明るく答える時さんです。

……湖蘭姉様に詳しく聞きましょう。

湖蘭姉様の名前は蔦子先輩からふつーに出てきていますし、湖蘭姉様との仲が険悪じゃなかったら蔦子先輩も連れていきたいですな。

時さんの弱みでもあれば握っておこう。

あ、そうだ。

「蔦子先輩、『あいりん』側に知られたらマズいんじゃないですか?」

一応確認しておきましょう。

この件、『あいりん』側はどうとらえるのか。

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